グルヴァディ・グナ(10組20の性質)
Gurvādi Guṇa / गुर्वादि गुण
Definition
重い⇄軽い、熱い⇄冷たいのように対になる10組・20種の性質で、食材やハーブの働きを見分ける物差しのひとつ。ラサ・ヴィーリヤ・ヴィパーカと並ぶ、アーユルヴェーダの素材学(ドラヴィヤグナ)の基本要素とされる。
この項目のポイント
- グルヴァディ・グナは重い⇄軽いなど対になる10組・20種の性質で、食材やハーブの働きを見分ける観点のひとつ
- 同じ性質のものはそのドーシャを増やし、反対の性質のものは鎮めるという原則で使われる
- ラサ(味)・ヴィーリヤ(温冷)・ヴィパーカ(消化後の作用)・プラバーヴァ(特殊作用)と並ぶ、素材学(ドラヴィヤグナ)の柱のひとつとされる
グルヴァディ・グナとは
グルヴァディ・グナ(Gurvādi Guṇa)は、アーユルヴェーダが食材やハーブの働きを見分けるときに使う観点のひとつで、重い⇄軽い、熱い⇄冷たいのように対になる10組・20種の性質を指します。
「グナ」という言葉は当サイトでは主に、サットヴァ・ラジャス・タマスからなる心の性質のトリグナを指して使っています。グルヴァディ・グナはそれとは別の枠組みで、心ではなく物質(食材やハーブ)の性質を表すものです。混同しやすいので、この項目では区別のために「グルヴァディ・グナ」と呼びます。
10組・20の性質
対になる10組・20の性質
| 対になる性質 | 意味 |
|---|---|
| グル ⇄ ラグ | 重い ⇄ 軽い |
| シータ ⇄ ウシュナ | 冷たい ⇄ 熱い |
| スニグダ ⇄ ルクシャ | 油性 ⇄ 乾性 |
| マンダ ⇄ ティークシュナ | 鈍い・遅い ⇄ 鋭い・速い |
| スティラ ⇄ チャラ | 安定 ⇄ 動性 |
| ムリドゥ ⇄ カティナ | 軟らかい ⇄ 硬い |
| ヴィシャダ ⇄ ピッチラ | さらり ⇄ ねばり |
| シュラクシュナ ⇄ カラ | 滑らか ⇄ ざらつく |
| スークシュマ ⇄ ストゥーラ | 微細 ⇄ 粗大 |
| サンドラ ⇄ ドラヴァ | 濃厚 ⇄ 液状 |
古典(チャラカ・サンヒター)に由来する分類とされる
ドーシャとの関係
グルヴァディ・グナの基本原則は、同じ性質のものはそのドーシャを増やし、反対の性質のものは鎮める、というものです。
ヴァータは軽い・冷たい・乾いた・粗い・動くといった性質を持つとされるため、同じ性質を持つ食材(冷たく乾いた軽い食べ物など)はヴァータを増やしやすく、反対の性質(温かく油性で重みのある食べ物)はヴァータを鎮めやすいとされます。同じように、ピッタは熱い・鋭い性質、カパは重い・冷たい・油性・安定した性質を持つとされ、それぞれ同じ性質のものが増やし、反対の性質のものが鎮めると考えられています。
ラサ・ヴィーリヤ・ヴィパーカ・プラバーヴァとの位置づけ
アーユルヴェーダの伝統的な素材学(ドラヴィヤグナ)では、ラサ(味)・ヴィーリヤ(温冷)・ヴィパーカ(消化後の作用)に、このグルヴァディ・グナを合わせたうえで、なお説明のつかない働きをプラバーヴァ(特殊作用)として立てる、という組み立てになっています。素材の性質をまとめた文献群であるニガントゥでも、こうした観点が使われてきました。
もっとも、日々の食事を選ぶ場面では、ラサとヴィーリヤの2つで足りることがほとんどです。グルヴァディ・グナが細かく意識されるのは、主に専門的にハーブや薬用の素材を扱う場面に限られます。
本項目は伝統的な考え方の紹介であり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。
FAQよくある質問
グルヴァディ・グナとトリグナ(グナ)は同じものですか?
違います。当サイトで単に「グナ」と呼ぶ場合は、サットヴァ・ラジャス・タマスからなる心の性質のトリグナを指します。グルヴァディ・グナは、重い⇄軽いのように食材やハーブなど物質の性質を表す、まったく別の枠組みです。
20の性質はどうやって決まりますか?
重い⇄軽い、冷たい⇄熱いのように、対になる性質が10組あり、あわせて20の性質になります。食材やハーブがどちらの性質を強く持つかを見て、体への働きを判断します。
日常の食事選びでも意識する必要がありますか?
専門的にハーブや生薬を扱う場面で重視される観点で、日々の食事選びではラサ(味)とヴィーリヤ(温冷)の2つで足りることがほとんどです。20の性質まで細かく意識する必要は普段はありません。