ヴァサンタ・リトゥ
Vasanta Ṛtu / वसन्त ऋतु
Definition
ヴァサンタ・リトゥとは、アーユルヴェーダが定める六季(リトゥ)のひとつで、インドの伝統暦における春の時期を指す。冬に蓄積したカパが気温の上昇でゆるみ出し、乱れやすくなる季節とされる。
この項目のポイント
- ヴァサンタ・リトゥは、アーユルヴェーダの六季(リトゥ)のひとつで春にあたる時期
- 冬に体内に蓄積したカパが、気温の上昇でゆるみ出して乱れやすくなる季節とされる
- この時期のカパの乱れに対しては、伝統的にヴァマナ(パンチャカルマの処置のひとつ)が向くとされてきた
ヴァサンタ・リトゥとは
ヴァサンタ・リトゥ(Vasanta Ṛtu)は、アーユルヴェーダが定める六季(リトゥ)のひとつで、インドの伝統暦における春の時期を指します。リトゥチャリヤ(季節の養生)は、この六季それぞれの性質に合わせて過ごし方を調整するという考え方に立っています。
いつの時期を指すか
古典的にはおおむね2月半ばから4月半ばごろにあたるとされますが、暦の流派によって区切り方には幅があります。日本の気候であれば、冬の寒さがゆるみはじめ、花粉や眠気が気になりだす時期に近いと読み替えられています。
なぜこの時期にカパが乱れやすいのか
冬のあいだ、寒さと重さの性質を持つカパは体内に蓄積しやすいとされます。ヴァサンタ・リトゥになると気温が上がりはじめ、蓄積していたカパが溶けるようにゆるんで動き出すと説明されます。だるさ、眠気、鼻や喉の不快感といった春先の不調は、この動き出したカパによるものとされます。
ヴァマナ(パンチャカルマ)との関係
この時期に動き出したカパへの本格的な対処として、伝統的にはパンチャカルマのうち上部からの排出処置であるヴァマナがヴァサンタ・リトゥに向くとされてきました。これは医師の管理を前提とした処置で、家庭で行えるものではありません。日常でできる範囲の過ごし方は、季節の養生リトゥチャリヤにまとめています。
季節の変わり目との関係
ヴァサンタ・リトゥの前後には、前の季節との重なりの時期であるリトゥサンディがあります。前の季節の過ごし方から少しずつ切り替えていくのが、リトゥチャリヤの作法とされています。
本項目は伝統的な考え方および一般的な情報の紹介であり、特定の効果・効能を保証したり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。体調の不調が続く場合は、医師などの専門家にご相談ください。
FAQよくある質問
ヴァサンタ・リトゥとは何ですか?
アーユルヴェーダが定める六季(リトゥ)のひとつで、インドの伝統暦における春の時期を指す言葉です。おおむね2月半ばから4月半ばごろにあたるとされますが、暦の流派によって幅があります。
なぜこの時期はカパが乱れやすいのですか?
冬のあいだ寒さと重さで体内に蓄積したカパが、気温が上がりはじめると溶けるようにゆるみ、消化管などに動き出すためと説明されます。だるさや眠気、鼻や喉の不快感が出やすいのはこのためとされます。