アーユルヴェーダのメニュー表で、カティバスティ、ジャーヌバスティ、グリーヴァーバスティという名前を見かけることがあります。

似た名前が並んでいると、どれを選べばよいのか迷います。

結論から言うと、3つは仕組みが同じで、対象の部位だけが違います。

この記事では、部位ごとの違いと、名前が同じでまったく別物である浣腸のバスティとの区別を整理します。

3つの違いを一覧にすると

部位で分かれる3つの局所バスティ

カティバスティ、ジャーヌバスティ、グリーヴァーバスティについて、対象部位、名前の意味、向くとされる悩みを並べて比較した一覧
カティバスティジャーヌバスティグリーヴァーバスティ
対象部位
名前の意味カティ=腰ジャーヌ=膝グリーヴァー=首
向くとされる悩み腰の張り・こわばり膝関節のこわばり首や肩まわりのこわばり

土手を作る位置が変わるだけで、油を溜めて温めるという仕組みは共通

カティバスティ・ジャーヌバスティ・グリーヴァーバスティの対象部位と向くとされる悩みの比較

仕組みは1つ、部位だけが変わる

局所バスティは、小麦粉などで輪の形の土手を体の上に作り、その中に温めた薬用オイルを注いで一定時間溜めておく処置です。

土手を作る位置を変えるだけで、腰ならカティバスティ、膝ならジャーヌバスティ、首ならグリーヴァーバスティと呼び名が変わります。

いずれも、油と熱を同じ場所に長く留めることで、乾きやこわばりを持つ部位に働きかける発想は共通しています。

ヴァータは乾燥と動きを性質に持つとされ、関節や腰まわりはその影響を受けやすい部位として語られます。

浣腸のバスティとは別物

紛らわしいのは、パンチャカルマの一つに数えられる浣腸の処置も、同じくバスティと呼ばれることです。

バスティという言葉自体は容器を意味しています。

浣腸の処置は体の内側に薬液を注ぐための器を、局所バスティは体の表面に油を溜めるための器を作ります。

溜める場所が体の内側か表面かという違いはありますが、器を作って薬用の液体を留めるという発想の根は同じです。

名前だけで内容を判断せず、どちらの処置を指しているのかを確認したほうがよい場面です。

全身のオイルケアとの違い

局所バスティは、体全体に油を伸ばすアビヤンガとも異なります。

アビヤンガは全身にオイルを塗って流す動きのケアで、油は塗ってはすぐに動かされます。

局所バスティは特定の部位に絞り、油をその場に留め続ける点が違います。

範囲を広くとるか、1点に絞って長く留めるかという方向の違いと捉えると分かりやすくなります。

両者を組み合わせて、全身のアビヤンガのあとに気になる部位だけ局所バスティを重ねる進め方も見られます。

受けるときの考え方

3つのうち、どれが向くかは体質や今の状態によって変わるとされます。

  • 腰の張りやこわばりが気になる場合はカティバスティ
  • 膝まわりのこわばりが気になる場合はジャーヌバスティ
  • 首や肩まわりのこわばりが気になる場合はグリーヴァーバスティ

とはいえ、気になる部位だけで自己判断せず、施術者に体質や生活を伝えたうえで選ぶのが伝統的な進め方です。

持病がある場合や妊娠中は、受ける前に施術者や医療機関へ相談してください。

まとめ

カティバスティ、ジャーヌバスティ、グリーヴァーバスティは、土手を作る位置が腰か膝か首かだけが違う、同じ仕組みの処置です。

名前が同じでも、浣腸のバスティやアビヤンガとは別の処置にあたります。

部位の名前を知っておくと、メニュー表を見たときに何を受けようとしているのかが分かりやすくなります。

本記事は伝統的な考え方の紹介であり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。持病がある方、妊娠中の方は、受ける前に医療機関や施術者にご相談ください。