全身のアビヤンガは10分から15分かかりますが、部位を絞れば数分で終わります。しかも、絞る部位は適当に選ばれてきたわけではなく、古典が重視してきた場所です。

1. 足裏(パーダビヤンガ)

いつ:夜、眠る前

足裏には重要なマルマ(急所)があるとされ、目や睡眠との結びつきが古典で語られてきました。ヴァータは冷えと乾燥の性質を持つため、末端を温めることが落ち着きにつながると説明されます。

太白ごま油を少量、足裏と足首まで塗り、靴下を履いて寝るだけです。詳しくはパーダビヤンガの項目にまとめています。

2. 耳(カルナプーラナ)

いつ:朝、あるいは入浴前

耳はヴァータの座の一つとされ、乾燥や冷えの影響を受けやすい部位と考えられています。耳の周りと耳たぶにオイルをなじませる、あるいは温めたオイルを数滴入れる方法があります。

炎症があるとき、鼓膜に問題があるときは行いません。

3. 鼻(ナスヤ)

いつ:朝、洗顔のあと

鼻は頭部への入口とされ、ナスヤは頭と首から上の領域に働きかける処置と位置づけられます。日常的なケアとしては、清潔な指に少量のオイルをつけて鼻の内側に塗る程度の穏やかな形が紹介されます。

本格的な処置は医師の管理下で行われるものです。風邪をひいているとき、鼻に炎症があるときは避けます。

4. 目

いつ:夜、目を使ったあと

目はアーローチャカ・ピッタの座とされ、熱がこもりやすい部位です。家でできる範囲では、目を閉じて温めたタオルをのせる、ローズウォーターで目のまわりを冷やす、といった穏やかな方法になります。

本格的なネートラタルパナは施術者のもとで行うものです。

5. 頭皮(シローアビヤンガ)

いつ:洗髪する日

考えごとが止まらないとき、頭が休まらないときに用いられてきました。指の腹で少量のオイルを円を描くようになじませます。ブリンガラージを煮出したオイルが伝統的に使われます。

続けるための組み立て

時間帯やること所要
鼻と耳2分
洗髪の日頭皮3分
足裏1分
目を使った日目を温める3分

全部を毎日やる必要はありません。1日の流れ全体はディナチャリヤ完全ガイドに、朝の口腔ケアは朝習慣3つにまとめています。

避けたほうがよい場面

発熱しているとき、消化不良で体が重いとき、食後すぐ、皮膚に傷や炎症があるとき。油を足すとかえって重さが増すと考えられているためです。

本記事はアーユルヴェーダという伝統医学の考え方を知識として紹介するものであり、病気の診断・治療・予防を目的としたものではありません。体調に不安がある方、治療中の方は、必ず医師などの専門家にご相談ください。