ヴェーダーンガ
Vedāṅga / वेदाङ्ग
Definition
ヴェーダを正しく学び伝えるために整えられた6つの補助学の総称。ヴェーダの肢体という意味を持つ。
この項目のポイント
- ヴェーダーンガはヴェーダの肢体を意味し、ヴェーダを学ぶための6つの補助学を指す
- 音声学・韻律・文法・語源学・祭式学・天文暦法の6つからなる
- アーユルヴェーダはヴェーダーンガではなくウパヴェーダに分類される
ヴェーダーンガとは
ヴェーダーンガ(Vedāṅga)は、ヴェーダを正しく学び、伝え、儀礼に用いるために整えられた補助的な学問の総称です。アンガ(aṅga)は肢体を意味し、ヴェーダを一つの身体にたとえたときの手足にあたる、という位置づけを表しています。
6つのヴェーダーンガ
伝統的に次の6つが数えられます。
- シクシャー(Śikṣā)— 音声学。正しい発音を扱う
- チャンダス(Chandas)— 韻律。詩の形式を扱う
- ヴィヤーカラナ(Vyākaraṇa)— 文法
- ニルクタ(Nirukta)— 語源学
- カルパ(Kalpa)— 祭式学。儀礼の手順を扱う
- ジョーティシュ(Jyotiṣa)— 天文暦法。時を定める
このうちジョーティシュは、儀礼を行う時を決めるという実務的な必要から発達しました。伝統の中で「ヴェーダの眼」と呼ばれてきたのは、正しい時を見定める役割を担ったためと伝えられます。
ウパヴェーダとの違い
ヴェーダーンガと対になる分類がウパヴェーダです。
| 役割 | 含まれるもの | |
|---|---|---|
| ヴェーダーンガ | ヴェーダを読み解くための学問 | 音声学・韻律・文法・語源学・祭式学・天文暦法 |
| ウパヴェーダ | ヴェーダに付随する応用の知識 | 医学・兵法・音楽・建築など |
アーユルヴェーダは後者、ウパヴェーダに数えられます。この整理を知っておくと、アーユルヴェーダとジョーティシュがどういう関係にあるのかが見えやすくなります。両者は同じヴェーダの流れを背景に持ちますが、分類上は別の枠に置かれてきました。
本項目は伝統的な分類の紹介であり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。
FAQよくある質問
ヴェーダーンガとは何ですか?
[ヴェーダ](/term/veda/)を正しく発音し、理解し、儀礼に用いるために整えられた6つの補助学の総称です。アンガ(aṅga)は肢体を意味し、ヴェーダを身体にたとえたときの手足にあたる学問群、という位置づけになります。
アーユルヴェーダはヴェーダーンガに含まれますか?
含まれません。[アーユルヴェーダ](/term/ayurveda/)は[ウパヴェーダ](/term/upaveda/)、つまりヴェーダに付随する応用的な知識体系のほうに分類されるのが一般的です。ヴェーダーンガがヴェーダを読むための学問であるのに対し、ウパヴェーダは生活に応用される知識という違いがあります。